新聞各社は小学生から高齢者まで、幅広い年代の方が安心して読める媒体を目指しています。
そこで広告にも、全年代が見やすいものであることが求められます。
読者層のメインは、60~70代ですので、特に高齢者も読めるデザインであるよう配慮します。
このようにすべての人のための万人向け設計のデザインを、「ユニバーサルデザイン」と言います。
2011年3月31日の夕刊から、朝日新聞は文字のサイズを変更しています。
縦8.3%、横5.5%大きくなり、面積比も14.3%アップしました。
また、フォントも四角張った明朝体へと変更されています。
これは社会全体の高齢化、新聞読者の高齢化に合わせてのことでしょう。
日本人の平均寿命は80歳。
女性では86歳を超え、二人に一人が90歳以上まで生きる時代になりました。
健康な成人だけを意識したデザインでは、ダメだということです。
一般的に、A4用紙への文字サイズは12ptが最も読みやすいとされています。
裁判所に提出する書類も、12ptと書式が決まっています。
しかし、読み物や広告で12ptにすると入れられる情報があまりに少なくなります。
広告業界では、潰れずに読める最小の文字は6ptと言われています。
やや親切にしたい場合、7ptというところでしょうか。
新聞では、広告規定に文字のサイズも含まれていますので、各紙の規定をご覧ください。
ただし、この規定もユニバーサルデザインという観点からすると完全なものではありません。
高齢者へ訴求する広告の場合、最小文字は9pt以上が望ましいでしょう。
背景が黒に白い文字の白抜きをする場合は、白地に黒い文字よりも可読性が下がります。
約1.5倍の大きさにすると読みやすくなります。
カラー広告を作成する場合は、色使いにも留意します。
日本人は男性の20人に1人、女性の500人に1人が色覚障がいを持っていると言われています。
読者が100万人の新聞なら、男性の5万人、女性の2,000人は色覚障がいがあることになります。
意外と多いですよね!
色覚障がいの75%は、緑色を感じにくい「第2色覚障がい」です。
では、緑色は避けたほうがいいのか?というと、そんなことはありません。
色覚障がいのほとんどは、赤から緑色の境界が認識しづらい「赤緑色覚障がい」です。
青、緑、赤のグラデーションになっているとして、青は正しく見えるのに、緑から赤までは同色の濃淡に見えたりします。
つまり、赤と緑、黄緑と緑が隣り合っていると境界が曖昧に見えるのです。
対策として、色で境界を示す場合は赤と緑、黄緑と緑を避け、ビビッドな色で区切ることです。
新聞広告の掲載料金はこちらのページで比較できます。