新聞広告に暗い写真を使用すると、確かに潰れてしまいます。
85%以上のグレーになるとほぼベタになってしまい、階調が鮮明に出ないので何の写真かわからなくなってしまいます。
そのままでは審査に通らない可能性が高いので、新聞各社が設けている入稿ガイドや広告規定を確認することが必須ですが、一般的に言われていることについて解説します。
印刷デザインをする際は、紙の特性も考慮してデータ作成する必要があります。
新聞広告に暗い写真を使用すると画像が潰れてしまうのは、ドットゲインが原因です。
ドットゲインとは、網点のインクがにじみによって太る現象です。
例えばK50%の網点を作ると、インクが乗るのは50%、残り50%は白になり、グレーが表現されます。
しかし、ドットゲインが起こると網点が太ってしまい、実際には50%の白が残りません。
すると、全面的に濃いグレーとなってしまいます。
これは、紙とインクの状態によって起こります。
例えばコート紙は、写真が鮮明に出る特徴があります。
これは表面にコート剤が塗布されており、インクの染み込みやにじみが少ないためです。
新聞紙は安価で薄い紙を使用しているので、インクが染み込みやすくにじみやすい紙となります。
モノクロ原稿の場合は、Kの濃度は85%以下が推奨されています。
また、カラー原稿の場合は総インキ使用量を240%以下に抑えるのがポイントです(新聞社の入稿ガイドラインでは250%以下と指定されていることが多いです)。
網が 50%を超えるあたりからドットゲインが現れ、階調が約25%程度上がると言われています。
もし暗い写真を使用する際は、全体的に25%程度トーンを明るくする、コントラストを強くするなどの工夫が必要です。
新聞社の広告規定に外れている場合や、写真が潰れる恐れのある場合は新聞社が審査に落としてくれるのが一般的ですが、稀に「事故」が起きることもあります。
データの作成には、基本的な印刷知識のほか、新聞広告特有のデータの作り方についての知識も求められます。
新聞広告を多く手掛けているデザイナー、広告代理店を起用するのが望ましいでしょう。
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